今回と次回でオフショアファンド(オフショア生保商品)投資のメリットとデメリットについて触れていきたいと思います。今回はそのメリットについての話を中心にお届けします。
オフショアファンド(オフショア生保商品)投資のメリット
投資対象が豊富
オフショアファンドのメリットはいくつか挙げられますが、何よりも投資対象の豊富さという面では日本の金融機関よりもはるかに選択肢が豊富であると言えます。
オフショアファンドを通じた資金の運用先は大きく分けて、投信やETFなどでおなじみの「ミューチャルファンド」とそれ以外の「オルタナティブファンド」があります。
前者のミューチャルファンドはブラックロックやフィデリティといった世界のトップシェアを誇るETFや投信の運用会社のものから、それよりも規模の小さい運用会社が独自の運用方針でファンド管理している商品まで選べます。
また、オルタナティブファンドはヘッジファンドや仕組債、ベンチャーキャピタルファンドなど商品スキームも実にさまざまでユニークなものがあります。
また、年利回りも10%を超える商品も多く、それなりにハイリスクハイリターンの商品もあります。
このような商品は日本国内で取扱いがないのは当然ですし、実際に購入しようとしてもその代理店を探したり、インターネット上で申し込んだりするのにはリスクが伴います。
しかし、オフショアファンドなら1つのラップ口座で世界中の様々な商品を小口で購入できます。
例えば、最先端のAI(人工知能)を用いた海外のヘッジファンドに投資したいという個人投資家の方が実際に投資する場合、最低でもファンド一口あたりの最低投資額が10万米ドル、あるいはそれ以上の投資資金を要するという場合がほとんどです。
しかもそのようなヘッジファンドを購入できる代理店等の窓口を探すのは中々大変なものがあります。
オフショアファンドの場合、世界的にも有名なヘッジファンドに1万米ドル単位で小口分散投資できる商品はいくつもあります。
このからくりを簡単に言えば、オフショア生保会社名義で大口で購入し、名宛人をオフショアファンドの投資家とすることで小口でも購入できるようにしている点にあります。
特にアグレッシブに自分の投資資金の一部をこれらのファンドに投資したいという方のニーズをも満たすことができるのもオフショアファンドの魅力です。
複利効果の高さ
オフショアファンドの場合、オフショアファンドを通じて様々な商品に投資し、売買を通じて利益確定しても課税対象とはならず、当然のことながら税務申告の必要がありません(日本非居住者の場合)。
つまり、ファンド内で投資継続している商品は当然のことながら、ファンド内に利益確定した資金を課税されずにそのまま再投資することで高い複利効果が得られます。
しかし、日本国内の金融機関から販売されている海外商品の場合、利益に対して毎年確定申告が必要となり、リターンに対する旨みを削ぐ結果にもなりかねません。
どの国に居住しても継続できるメリット
この商品を購入すると最も恩恵が受けられる方とはどのような方でしょうか。
その答えはオフショアファンドの特徴の一つであるどの国に居住しても継続できるという点にあります。
つまり、海外暮らしが長い、あるいは長くなるという方に特に恩恵があると考えられます。
例えば、製造メーカーの生産管理の技術者や商社勤務の方などの場合、海外のあらゆる国を転勤するという方も多く見られます。
また、日本を離れて節税もかねて海外居住したい方や海外に不動産があるので長期移住したいという方にもメリットがあります。
反対にこのような方の場合、日本国内の金融機関で購入する金融商品には税制面や商品への投資継続という面から何かしらのデメリットや制約を受ける場合があります。
基本はIFAにほぼ一任できる投資
オフショアファンドはどこから購入できるのでしょうか。
オフショアファンドは販売するオフショア生保会社で自前の営業スタッフを抱えているところはほぼ皆無です。
そして商品販売をIFAと呼ばれる外部の独立系ファイナンシャルアドバイザー(Independent Financial Adviser)に任せている場合がほとんどです。
従ってオフショア生保会社のオフショアファンドを購入する窓口はIFAが担っています。
このIFAは投資する方の資金ニーズやリスク許容度などをヒアリングし、ベストなポートフォリオを提案してくれます。
そしてポートフォリオ内のファンドの成長性に応じて必要なリバランス(組み替え)も提案してくれます。
従って、商品についてのある程度の理解は必要にはなりますが、信頼できるIFAが見つかった場合にはほぼ一任で運用を任せることができます。
反対に信頼できるIFAを見つけるのは少し大変な作業かもしれません。
そのあたりの話は次回に詳細をお伝えしたいと思います。
尚、自分が投資している個々の商品の運用状況については、どのオフショア生保会社の場合でもインターネット上で24時間チェックできるようにしているところがほとんどです。
オフショア生保商品メリットまとめ
今回はオフショアファンドのメリットを中心にお伝えしてきました。
オフショアファンドは特に海外居住が長くなる方や海外移住したいという方により一定のメリットがあります。
次回はオフショアファンドのデメリットや注意点についてお送りします。
特に高い手数料やIFA選定の面からオフショアファンドにも気を付けるべき点があります。
その辺りを掘り下げてお伝えしていきます。