海外FX初心者向け基礎知識 FX取引の注文執行方式の仕組みを解説!

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海外FX初心者向け基礎知識3

「海外FXって何だろう?」

これから海外FX取引を始めようという人にとっては、まずそんな疑問が生まれ、その意味を知るところから始まります。

近年、新しい事を学ぼうという多くの人は、まずネットを使って検索するところから始める人が多いです。

これは筆者の実体験なのですが、
実際の検索結果では不必要な広告や、専門知識ばかり並ぶ上級者向けの記事ばかりが出てくる事が多く、ホントの初歩についてはイマイチ掴めません。

「FX」が「Foreign Exchange(外国為替)」というのはすぐ分かります。
しかし次のステップの「FXの仕組み」について調べると、急に専門用語が飛び交い、「FX取引方法」や「投資家に利益が出る仕組み」が出てきたりします。

「そういう事じゃないんだよなぁ」と思ったものです。

そこでここでは、FX取引に必要な基礎の基礎として、「注文執行方式」に焦点をあて、「どういう経路で取引が行われるのか?」「FX業者がどうやって利益をあげているか?」を解説していきたいと思います。

FX取引の仕組み(STP方式)

投資家がいざ取引を始めようとすると、まずはブローカーやFX業者と呼ばれる、FX取引を扱う会社で口座開設をします。

その後取引を行う訳ですが、このFX業者が直接外貨の売り買いをしてくれるのかというと、そうではありません。

FX業者は投資家から注文を受けると、基本的にはLP(各業者のカバー先の金融機関)に注文を流し、そこで売り買いが行われます。

投資家が注文する時のレートはこのLPが提示します。

そしてそのLPの提示レートは、インターバンク市場(大手銀行や大手証券会社が為替取引する市場)で決定された取引価格を参照して決定されます。

また、この提示レートは、売値と買値では数pips(日本円では1pip1銭)前後の小さなズレを出して提示されます。

この「ズレ」は、「スプレッド(英語で「広がり」の意味)」と呼ばれ、為替をするための事実上の手数料となります。

このスプレッドのいくらかはLPの利益、残りがFX業者の利益となります。

簡単に言うと、

取引に使用したお金はLPに流れ、変動して戻ってきた「お金の増減」が「投資家の損益」となるわけです。

その際に利用したFX業者とLPに手数料を払っているだけなので、FX業者の利益というのは「投資家の勝ち負け」ではなく、「投資家が取引した量」に依存します。

リクディティプロバイダー(LP)とは?

「LP」という言葉が出てきましたが、信用できる業者なんでしょうか?

「LP」は「リクイディティプロバイダー」の略で、直訳すると「流動性の提供者」です。

なんのこっちゃという感じですが、要するに「どんな相場の変動があっても、注文を成立させる大手金融機関(Citi BankやBank of Americaなど、世界的規模のメガバンク等)」という事です。

このLPがいないと、投資家の注文を受け付けてくれる人がいない事になるので、FX取引が利用出来ません。

また、このLPが提示する価格が、常に投資家が有利な条件で提示されているとは限りません。

そこでFX業者は複数のLPと提携し、もっとも投資家に有利な価格を提示します。

LP

このような形をとる事で競争が生まれ、投資家はよりフェアな条件で取引を行うことが出来るようになるのです。

もちろん、カバー先の多いFX業者がより有利なレートを提示出来ます。

STP方式、ECN方式、アグリゲーターとは

ここまで書いてきた流れは多くの海外FX業者のスタンダード口座で用いられる「STP方式」と呼ばれる主流の注文方式です。

この流れを受けて、各金融機関のレートや許容量を集約する「アグリゲーター(集合体)」という事業体が誕生しました。

「アグリゲーター」は集約した板情報から有利な交換レートをFX業者に提供します。

これはより多くのLPを持つ事と同義となり、FX業者の多くはこの「アグリゲーター」をカバー先の一つとするようになりました。

また「アグリゲーター」は各FX業者からの注文を受け、集約して金融機関に注文を出します。

しかし、金融機関の受け付けるボリュームは「1万LOT」から「10万LOT」と言われており、大手アグリゲーターでも各金融機関に注文出来ない小規模の注文が蓄積してしまいます。

そこで「アグリゲーター」は、受けたオーダーを別のオーダーで相殺する、独自の注文方式を取り入れました。

これは「ECN(Electronic Communications Network)方式」と呼ばれる、「アグリゲーター」が異なる顧客の注文をネット上でマッチングさせることで取引させる注文方式です。

このECN市場ではSTP方式のように金融機関に注文する訳では無いので、「0.0pip~」という激狭スプレッドを提供できます。

その代わりに仲介するFX業者では1回の取引ごとに取引手数料を設定しますが、合計コストはSTP方式よりも安く済む事がほとんどです。

ECN方式はオークション形式で注文がマッチングされるシステムで、参加者の注文は板情報に追加され参照できます。

このマッチング形式によるレートの提示はSTP方式より透明性が高いと言われ、その取引コストの安さも相まって投資家から人気を獲得しました。
今ではインターバンク市場を超える巨大市場に成長したといわれます。

ECN image

どっちを選べば良いの?

ECN方式が力をつけてきた今、FX業者ではSTP方式の口座とECN方式の口座を用意しているのがほとんどです。

ではどっちを選ぶべきなのでしょうか?

ECN市場は取引コストも安く、LPや投資家からなる多くの参加者からマッチングするというシステム上、より公平で安心感のある取引に思えます。

しかしマッチングしなければいつまでも約定しないというデメリットも存在します。

更に取引コストの安いECN口座ではボーナスが適用されないケースや、最大レバレッジが低めな場合も多いです。

ボーナスが手厚い業者にIB業者のキャッシュバックを利用する事で、STP方式でありながら実質トータルコストがECN口座を下回るケースもあります。

自分の取引方法や利用するFX業者のサービスを突き詰め、自分に合ったやり方を見つけるのが良いでしょう。

DD方式

STP方式とECN方式は、ともにLPなどインターバンク市場をベースとした金融機関やECN市場で取引され、FX業者は仲介を行うだけです。

そこに賭博の胴元や、カジノのディーラーにあたる人は存在していません。

この注文執行方式は「NDD(No Dealing Desk)方式」と呼ばれます。

「NDD方式」があるという事は、当然「DD方式」も存在します。

「DD方式」は「OTC(Over The Counter)方式」という別名があります。

英語で「Over The Counter」とは「店頭」や「小売りの」という意味を持ちます。

「小売り」するわけですから当然「ディーラー」が存在します。

この場合、投資家が注文を出すと、FX業者は一旦注文を溜めます。

これは「呑み行為」と呼ばれ、注文がある程度溜まるまではLPへ流す事はしません。
その中で顧客同士の注文をぶつけて相殺する事も出来ます。

これは業者がディーラーとなる訳ですから、スプレッドを狭めたり約定を早めたりすることが可能となります。

これは一見NDD方式より優れているように見えますが、実は全く信用出来ないシステムであると言えます。

DD方式の問題点

なぜDD方式が信用出来ないのか?

それは投資家が預けたお金を業者がふところにおさめ、その中でやりくりするイメージをすると分かりやすいです。

投資家が取引で利益を出す場合と、損失を出す場合で何が起こるか考えてみましょう。

NDD方式では、投資家の損益に関わらず、一回の取引ごとにスプレッド(手数料)が発生し、それが業者の利益になります。
つまり、「NDD方式は投資家が取引をすればするほど儲かる」ことになります。

一方DD方式では、FX業者がディーラーとなり、投資家の注文を呑む方法です。
その場合、投資家が利益を出すと、FX業者はより多くのお金を払わなければなりません。
逆に投資家が損失を出すと、FX業者が払うお金は少なくて済むことになります。
つまり、「DD方式は投資家が損失を出せば出すほど儲かる」ことになります。

言い換えれば「DD方式のFX業者は投資家に勝たせてはいけない」わけです。
そうなると、取引で勝ち続ける投資家には嫌がらせをしたくなるのが当然です。

ましてプラットフォームが自社製品だったら、故意に嫌がらせを行うのも容易です。

具体的には、リクオートやスリッページを故意に行ったり、不正にレート操作を行うなど、正確ではない約定を引き起こします。

これでは取引する意味がありません。
利害関係が対立しており、フェアとは言えないからです。

国内FX業者では、大手を含むほとんどのFX業者がDD方式を採用しています。

さらにレバレッジや追証の違いなどもあり、国内FX業者を避ける投資家が増えるのは至極当然の話だと言えます。

注文執行方式まとめ

さて、ここまで「FX取引の注文執行方式」について書いてきたわけですが、いかがでしたでしょうか?

一般的に「海外FX業者はハイレバレッジだがスプレッドが広い」などと言われています。

しかし「国内FX業者はスプレッドが狭いけど信用できない」と言えるのではないでしょうか?

それに最近はECN方式のスプレッドは国内FX業者のスプレッドよりも狭い事も多く、もはや国内FX業者に優れている点は皆無です。

スプレッドが広いとされるSTP方式でも、それはサービス面に力が入っているからであって、ボーナスやIB業者を利用する事で還元でき、ECN方式よりも取引コストを下げる事すら可能です。
(※STP方式がECN方式を超える!?XMHotForexの記事参照)

もちろん、何も考えずに取引をする人には、国内FXの方が優れて見える事もあるでしょう。

しかし、有利な取引を引き寄せるために、より多く考える人がどっちを選ぶかは明らかです。

これから取引を始めるなら、「いかにしてリスクを抑えるか?」「いかにコストを下げるか?」そういった点を意識していくのが良いでしょう。

この記事があなたの助けとなれば幸いです。

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