「資産1兆円の男」スティーブ・コーエンとは?仮想通貨ヘッジファンドに投資明らかに

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2018年7月13日、ブルームバーグは関係者の話として、米国の有名投資家スティーブ・コーエン氏が、仮想通貨とブロックチェーン関連企業に特化したヘッジファンドに投資をしていたことが明らかになったと報じました。

「資産1兆円の男」が仮想通貨ヘッジファンドに投資

steven cohen
米国の有名投資家スティーブ・コーエン氏

コーエン氏が投資するヘッジファンドは「オートノマス・パートナーズ」で、早い時期から仮想通貨の支持者だったアリアナ・シンプソン氏によって2017年に立ち上げられました。

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アリアナ・シンプソン氏

シンプソン氏は、汎用性のあるマネーとしての役割を果たす仮想通貨や、次世代金融インフラを構築する企業への投資に関心があると述べており、オートノマスはビットコインやイーサリアムのような時価総額の大きい仮想通貨にも投資しています。

このところ、ジョージ・ソロスなど有名投資家の参入が相次いでいる仮想通貨業界ですが、「資産1兆円の男」と呼ばれるコーエン氏の参入によってさらに関係者の注目を集めそうです。

George-Soros
著名投資家のジョージ・ソロス氏

スティーブ・コーエンとは?

コーエン氏は、1992年に株式特化型のヘッジファンドであるSACキャピタル・アドバイザーズを設立しましたが、決してそれまでウォール街のエリートのようなキャリアを歩んできたわけではありません。

株式に目覚めたのは幼少の頃

幼少の頃から株式に目覚め、バイトで稼いだ金を握りしめて証券会社の店頭に行き、口座を開こうとして追い返されたという逸話を持ち、社会人になるずっと前から株式投資で儲けていました

歩合制のトレーダーとしてキャリアを積む

大学卒業後も、日本でいう地場証券のような小さな証券会社に就職し、歩合制のトレーダーとしてキャリアを積んだ生粋の「叩き上げ」です。

世界でも屈指の規模を誇るヘッジファンドに

コーエン氏は、自己資金約2,000万ドルでSACをスタートして以来、ずっと年平均30%のパフォーマンスをキープし、2008年の金融危機前には運用残高が160億ドルを突破するなど、世界でも屈指の規模を誇るヘッジファンドにまで成長させました。

米連邦検察当局から刑事訴追される

しかし2013年7月、過去10年間に渡り「組織的な手口」でインサイダー取引をしていたとして米連邦検察当局から刑事訴追され、翌2014年の4月にはインサイダー取引としては過去最高額となる18億ドルの支払いが課され、投資顧問事業の閉鎖に追い込まれました。

ファミリーオフィスへと転身

これをきっかけに、SACはコーエン氏の自己資金のみを運用するファミリーオフィスへと転身し、社名も「ポイント72アセット・マネジメント」へと変更し、ヘッジファンドの雄として君臨してきた同社の名前は完全に消滅することになりました。

「グレーな取引」も厭わない企業風土

コーエン氏はインサイダー取引ついて一貫して否定しており、過去の輝かしい業績が不正によってもたらされたものかどうかはわかりません。

しかし、同社はその特有な企業文化や慣習により、インサイダーに抵触するような極めてセンシティブな情報が集まりやすい環境にあったことは確かです。

機密性の高い情報を真っ先に入手できた

SACのような世界的規模のヘッジファンドは、プライム・ブローカーである証券会社にとってはケタ違いのフィーを落としてくれる「最重要顧客」であり、機密性の高い重要な情報を真っ先に入手できます

トレード・アイディアをトーナメント方式で競わせていた

また関係者によると、SACは100人以上いる運用担当者やアナリストにトーナメント方式でトレード・アイデアを競わせ、採用されたアイデアに1億ドル単位で資金をつぎ込み、そのトレードで得た利益の10~20%を発案者が手にできるというインセンティブ体系を取っていたようです。

運用担当者やアナリストにとっては、多額のインセンティブが期待できる一方で、インセンティブ獲得のために「限りなく黒に近いグレーな」取引に走ってしまう危険な企業風土がありました。

外部資金の運用を禁止

こうして危ない橋を渡って利益を追求した結果、SACは2018年1月まで外部資金の運用を禁止されるという痛い代償を払うことになりました。

仮想通貨でも天下を取れるか?

コーエン氏自身は罪に問われておらず、米経済紙フォーブスが選出する「2017年ヘッジファンド・マネージャー報酬ランキング」で第8位に選ばれるなど、その投資手腕は未だ健在です。

2017年ヘッジファンド・マネージャー報酬ランキング

順位 2017年収入 会社
1 マイケル ・プラット 20億ドル BlueCrest Capital Management
2 ジェームズ ・シモンズ 18億ドル ルネサンス・テクノロジーズ
3 デビッド・テッパー 15億ドル アパルーサ・マネージメント
5 レイ・ダリオ 9億ドル ブリッジウォーター・アソシエイツ
8 スティーブ・コーエン 7億ドル ポイント72アセット・マネージメント

今回の仮想通貨参入は、コーエン氏が直接仮想通貨を取引するわけではありませんが、株式運用で巨額の富を得たヘッジファンドの大物が、仮想通貨でも天下を取ることができるか大いに注目です。

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