AXIORYはベリーズ共和国の金融ライセンスを保有している海外FX業者ですが、ネットの評判を見ていると低スプレッドで高い約定力を備えているとよく書かれています。
そんな事は可能なのでしょうか?
一般にスプレッドが広い業者は代わりにボーナスや約定力に優れると言われています。
そうなると、低スプレッドと高い約定力は共存できない事になります。
平均スプレッドを調べると、AXIORYは確かに低いスプレッドを提供しています。
では噂の約定力はどうなのでしょうか?
ここでは、AXIORYの約定力のホントの所を調査・解説していこうと思います。
公式サイトの情報から約定力を探る
AXIORY公式サイトの約定力に関するページでは、「約定力99.98%」とデカデカと書かれています。
・EQUINIX社データセンターによるバックボーンを利用
・約定率(リクオート率)、約定スピードの開示
・FIX APIの公開
などと言った内容の項目を掲げていますが、正直なにを言っているのかサッパリ分かりません。
一度この項目について細かく解説していきます。
EQUINIX社データセンターによるバックボーンを利用
EQUINIX(エクイニクス)社は、米国にあるIT企業です。
インターネットのインフラとなるデータセンターを運営する企業で、世界トップランクの規模を誇ります。
エクイニクス社の顧客の中には、グーグルやマイクロソフト、アマゾンなどの世界規模の企業もいます。
エクイニクス社は金融業界の電子取引が普及し始めた時代には、金融機関が盛んな各都市に拠点を立ち上げ、FXや債券の電子取引に対応できるようにインフラを整備してきました。
2015年の株式会社ビットアイル買収をきっかけに、2016年には東京にもサーバーを増設。
FX取引はその性質上、迅速なネット環境を必要とします。
アジア地域のユーザーは自動的に東京サーバーに接続され、約定スピードはそれまでの接続環境と比較して約33%も向上されました。
エクイニクス社はさらなるスピードの向上を目指し日々改善を行っているとしており、今後にも期待できる企業です。
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前置きが長くなりましたが、つまりエクイニクス社は世界最大規模のネットインフラを提供している企業で、
AXIORYはこの世界最大規模のインフラを利用し、迅速な約定を提供しているというわけです。
約定率(リクオート率)、約定スピードの開示
インフラのスゴさは分かりましたが、実際の約定力はどうなのかを知りたい所です。
そこでAXIORYでは、注文約定実績の各月の平均値のデータを開示しています。
注文実績のページはこちら。
この実績が真実であれば、「約定率99.98%」とデカデカと公式サイトに書いているのも頷けます。
FIX APIの公開
「FIX API(Financial Infomation eXchange Application Programming Interface)」の公開。
これは初心者にはチンプンカンプンな文言ですね。
これはEAという自動売買を行うシステムを利用したトレードに関係する話で、手動で売買を行う方には関係ありません。
業者のサーバーに直接接続して注文・照会が可能で、
接続容易性と与信チェック、口座属性チェック等のセキュア機能を備えたシステムを低コストで開発できます。
レイテンシー(遅延速度)の調べ方
さて、ここまで公式サイトの約定力に関して説明してきました。
AXIORYは強固なネットインフラを持ち、約定実績の公開という方法で透明性をアピールしています。
しかしはっきりと約定力の速さを示す決定打にはなりません。
結局、約定力は実際に取引してみなければ分からないのでしょうか?
実は一つ、サーバーの速度を確かめる方法ならば存在します。
サーバーの速度だけで約定力全てを測ることは出来ませんが、参考には出来ます。
しかも意外と簡単。
MT4を開くと、右下に接続状況がでますが、こちらをクリックするとサーバーごとのレイテンシー(遅延速度)が表示されます。
「423.12ms」「299.46ms」など。
これはデータ転送要求を出してから実際に送られてくるまでの遅延時間の指標で、「ms」は「1/1000 秒」をさす単位です。
「299ms」なら、「0.299秒という事になります」
この数値が小さいほどサーバーが早い事になります。
ここで、STP方式の平均レイテンシーを、業者ごとに比較してみます。
業者 | 平均レイテンシー |
---|---|
XM | 520ms |
AXIORY | 551ms |
TTCM | 1,364ms |
Titan FX | 314ms |
おや?ここでは、AXIORYは中の下ですね。しかしXMとかなり近いです。
XMはストレスの無い約定に定評があります。
その事を踏まえると、AXIORYはベストではないがベターな速度のサーバーを備えていると言えます。
ECN方式では
ECN方式では、基本的にレイテンシーは「0.0ms」です。
ただしECN方式は注文のマッチングがオークション形式のため、ほとんどの場合ある程度のスリップは起こります。
まとめ
さて、可能なかぎり約定力に関する解説を行ってきましたが、いかがでしたでしょうか?
約定力に関してはサーバーやブローカー、LPやアグリゲータなど、かなり多くの要素が関係してきます。
高い透明性を持つAXIORYであっても、それら全てを公開する事は不可能です。
黒い部分があるのではないかと疑ってしまう方もいるでしょう。
ネットではよく「A-bookとB-bookどっち?」みたいな議論があります。
これはあくまで筆者個人の考えですが、「A-book、B-book」という言葉そのものが噂の域を出ず、それを証明することは基本的に不可能です。
不可能だからこそ、論理的な意見や感情的な意見が入り乱れた議論となり、見ている方も面白いので、それが更に話題を呼びます。
証明が不可能な以上、結局はどの業者も100%の信用は出来ません。
しかし中でもAXIORYは、比較的に信用できる業者です。
私はネットの評判をほぼ毎日見ていますが、辛口な評判をする人でも「AXIORYは無難」という評価が多いです。
今回の比較ではAXIORYの約定力が業界トップクラスのXMと同等の早さを秘めている事は分かりました。
約定力を気にするトレーダーでも、試す価値は十分にあるものと思います。