南アフリカのランド見通し 高金利が意味するものから買い時を考える

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south africa

世界経済やFXに詳しくなってくると、各国の政策金利の重要性を意識するようになります。

中でも注目は政策金利が飛び抜けて高い事で、スワップポイントも必然的に高くなる新興国経済や通貨となります。

最近ではメキシコペソやトルコリラ、少し前では豪ドルやNZドルも高金利通貨でスワップポイントが高かったですが、何と言っても代表となるのは南アフリカランドでしょう。
ハイリスクという事が浸透し、積極的に取引するケースが少ないようなので、最近の南アフリカの経済事情も踏まえて、ランド買いのチャンスが到来しているのかどうかを考察します。

南アフリカ経済見通し 高金利のランド買を考察する

南アフリカ経済は低迷しているのか?

南アフリカなどいくつかの新興国は、次なる経済大国として持て囃された過去があるが、それも今は昔で、残念ながら期待通りの成長どころか裏切られたという風潮で一致している。

持て囃すだけ持て囃しておいて、期待にそぐわないとゴミのような扱いになるのは、金融や投資の世界ではよくあることです。

例外で大成功を収めたのは中国だけでしたが、それは先進国などが求める要求が高いだけで、南アフリカはアフリカ大陸の中では経済大国としてゆっくりとだが成長をしている事実があります。

一時の勢いが失った感もありますが、逆にいうと安定し、経済成長率で見ても順調さが垣間見えます。

また金・ダイヤモンドなどの資源が世界一豊富で、人件費も世界の最低賃金水準、周辺にも資源国が多く、底堅い実力があるのも見逃すわけにはいきません。

同様に過去、投資界隈から持て囃されたことのあるブラジルやロシアと比較しても、南アフリカの方が順調に成長していると数字を見れば判断できます。
しかし、このグループには中国も含まれているので、どうしても比較される事で南アフリカの成長が軽んじられる傾向にあると感じています。

またトランプ政権になり政策金利も上がった事で、アメリカに投資資金が戻っているはずですが、それでも自力で成長してきた事実は見逃せません。

そのような事実から、一部の評論家などは南アフリカの将来に対して、再びポジティブな意見が多くなってきています。
便乗する訳ではありませんが、5~10年先を見越した投資を考えるなら南アフリカの評価を高めるべきであるように感じます。

人口が多く今後も増加する傾向で、人件費が安く資源が豊富です。
インフラ整備や政治不安定がなければ、どこよりも早い成長が見込めるだけの土壌が整っている。
何より政策金利が高い国は南アフリカ以外にもメキシコやトルコなどがあるが、この中で多くの資源を抱えて優位なのは唯一南アフリカのみです。

また憶測ですが、2010年にワールドカップが開かれたように、いずれ夏季五輪が開催される可能性も高く、2032年大会に期待してもおかしくはないでしょう。

FX視点での南アフリカランドの動き

南アフリカランド/円はブレグジット時の2016年6月、急激に円高となり史上最安値を更新して6.2円となった後は、円安側に動き現在は8~9円台で推移している。
直近で不安視されるような材料も少なく、国家の財政状況も比較的健全といえる。

2016年6月以降、南アフリカランド/円は米ドル/円と同じようにトレンド転換した様に円安方向に動いている。

この背景として、高い政策金利を少しずつ下げていく事に成功し、7%だったのが今では6.5%で落ち着いています。
金利を高くしなくても投資資金を集めることに成功した証左です。

このまま米ドル/円が堅調に円安で、南アフリカの政策金利が上がる事がないなら、南アフリカランド/円は安定した値動きで推移していきそうだと推測できます。

そうなると南アフリカランド/円は高いスワップポイントもあり、最近は円高傾向だが、長期的に見るなら今が絶好の買い場だと判断することは決して間違ってはいないだろう。
注意するなら、今年は円高方向にやや勢いがあるので、月足がトレンド転換するまでは状態を見守り、そこから買いに入る方がより確実で遅くもないでしょう。

南アフリカの人口増加で立場逆転

もし、あなたが南アフリカ経済に対して悲観的な意見を持っているなら、インドやインドネシア、ブラジルやアルゼンチンやサウジアラビアなどどこでも良いですが、次なる中国を目指せる国々の中で、有力候補はあるだろうか?

先進国と途上国の上下関係が崩壊するとしたら、最大の要因は既に静かに始まっています。

それは人口ピラミッドが崩れる時で、先進国は軒並み高齢化が懸念され、労働人口を移民で補うのが具体策とされている。

しかしあくまでも個人的な意見ですが、これはやや無理があります。

国際的な競争力を考えたときに、自前で労働力を確保できる国とそうでない国には決定的な違いがあります。
成長力も違うでしょう。
移民を受け入れる国は、アメリカを除けば現状維持のために移民を迎え入れるのに対して、自前で労働力を確保できる国では、純粋に成長エンジンのかかり具合が異なります。

移民を必要とする国に進出する企業、途上国で今後も人口が増える国に進出する企業、果たしてどちらに期待をするべきか。

それよりも南アフリカなどに先進国の巨大企業が本格進出をするのが先だと思えてならなりません。
つまり先進国の現状維持の為の策は、人口が増え続ける国の急成長には勝てないのである。
彼らを呼び寄せるよりも、彼らの元に赴く企業が選定される時代がやって来るのも時間の問題と感じています。

経済成長とFXの相関関係

経済成長とFX投資は、時には真逆の考えも必要だと思い込んでいたが、南アフリカに関しては良いタイミングを目の当たりにしている感がある。

本格的な経済成長に合わせて、円安方向に振れやすいだけでなく、長期的な観点なら中国の次なる成長国として期待できる最右翼が南アフリカではないだろうか。

日本を筆頭に先進国の大半で急激な高齢化が進むなら、反対に急激な多子若年化が進む国の通貨はどこかを予測をするべきで、その候補は南アフリカが大本命となるだろう。

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