ここではFX初心者のために、FXの単位「ロット」「通貨」「pips」や、それらに関連する損益の計算方法(結局何円になるのか)について解説します。
これらはFX取引の勉強する上で、最初に知るべき大切な基礎知識です。
FXの「ロット」の意味、国内FXと海外FXの違いは?
単純な言葉の意味での「ロット(LOT )」とは、「(人や物などの)群れ、組」という意味を持ちます、野菜や果物などを扱う生産会社や、電化製品や化学品などの製造・加工を行うメーカーなどの、製造会社の現場ではよく使われる言葉です。
コストの関係上、一般的にたった一個の注文に対して製造したり出荷したりすることはしません。卵や電池などのバラ売りがほとんどないのはこのためです。
卵が10個で1パック(1ロット)と取り決めた場合、最小ロットは10個となり、20個や30個の注文には対応しますが、5個や15個の注文には対応しない、という事になります。
FXでのロットとは?
FXにおいての「ロット」とは、FXで売買する際の単位です。
注意点として、卵1パックごとの最小ロットがメーカーやブランドによって異なるように、国内と海外のFX業者では1ロットの数量が違います。国内業者では1ロットが1万通貨なのに対し、海外FXでは1ロットが10万通貨にもなります。
国内業者 | 海外業者 | |
---|---|---|
1ロット | 1万通貨 | 10万通貨 |
FXの「通貨」とは? 1通貨はいくらなの?
国内FXの1ロット(1万通貨)はいくらになるのか見てみましょう。
「1通貨」は、日本円なら1円、米ドルなら1ドル、ユーロなら1ユーロを意味していて、それぞれの単位を「通貨」という抽象的な言葉を使って統一しています。
「円建て口座でドル円を1万通貨買う」と言った場合、「日本円を使って1万ドルを買う」という意味になり、
仮に「1ドル=100円」であれば、
「1万ドルを100万円で買う=1万通貨(1ロット)を買う」意味になります。
仮に「1ドル=100円」として、それぞれの単位がどう変わるのかまとめました。
ロット数(国内口座) | ロット数(海外口座) | 通貨(ドル) | 円 |
---|---|---|---|
10ロット | 1 | 10万通貨 | 1000万円 |
1ロット | 0.1 | 1万通貨 | 100万円 |
0.1ロット | 0.01 | 1,000通貨 | 10万円 |
「ロット」なのか「枚」なのか
国内FXにおいては「1ロット=1万通貨」とする業者が多いですが、海外FXでは「1ロット=10万通貨」とする業者が多いです。
またFXにおいては「1枚=1ロット」で「枚(まい)」という言葉が使われることもあります。
「枚」なのか「ロット」なのか?と思う人もいるかもしれませんが、この2つは同じ意味です。
「枚」という言葉は、もともと商品先物取引で使われていた単位で、FX取引が一般的になる前は、大口取引は商品先物という馴染みがあったため、「枚」という単位もその名残りで使われています。
なんで海外FXでは「1ロット=10万通貨」なの?
さて、海外FXでは「1ロット=10万通貨」とする業者が多いと書きましたが、これは海外FX業者が多く用いる、「MT4(メタトレーダー4)」という取引システムの仕様によるものです。
「MT4」の標準ロットが「1ロット=10万通貨」となっていた事から、「1ロット=10万通貨」で扱う業者が増えたと言われています。
FXにおけるpips(ピップス)と損益計算方法
最後に、よくFX関連の話題で「今日は20pipsの利益だ」などと用いられる、「pips(ピップス、ピピ)」という言葉について説明します。
「円」や「銭」ではダメなのかと思う方もいるかもしれません。
しかし、「通貨」という単位もそうですが、「pips」は異なる単位を統一する事で利便性を高める効果があります。
また、単純に「1万円勝った」などと言っても、そのトレーダーの実力を測りきれないのです。
なぜそのような事が起こるのか、「pips」という言葉を理解していくことで分かってくるでしょう。
pipsの語源は「あるポイント内の1%」
「pips」は「persentege in point(パーセンテージ イン ポイント)」の短縮形「pip」に、複数形の「s」を付けた言葉です。
日本語に訳すと「あるポイント内の1%」という意味です。
この「あるポイント」ですが、円の場合は「1円」を指し、
「1円の1%」とは「0.01円」ですので、「1pip=0.01円(1銭)」という事になります。
次にアメリカドルの場合ですが、こちらの「あるポイント」は「1セント」を指し、
「1セントの1%」は「0.01セント」という事になり、
「0.01セント=0.0001ドル」なので、「1pip=0.0001ドル」という事になります。
1pipsはいくらなの?一覧にまとめました
主な通貨の「1pip」をまとめてみました。
日本円 | 0.01円(1銭) |
米ドル | 0.0001米ドル |
ポンド | 0.0001ポンド |
豪ドル | 0.0001豪ドル |
NZドル | 0.0001NZドル |
スイスフラン | 0.0001スイスフラン |
このように、基本的に日本円だけが「0.01(小数点第二位)」で、他の通貨は「0.0001(小数点第四位)」と憶えておいて良いでしょう。
FXの損益計算方法例(ドル円)
それでは実際に、「pips」の変動が損益にどう関わってくるのかを考えて行きます。
仮にドル円を「1ドル=100円」、つまり為替レート「100.000」の時に、「1万通貨」を買いでエントリーしたとします。
「100.000」を「1万通貨」ですから、金額は「100万円」です。
その後、為替レートが「50pips」上がり、 「100.500」に変動したとします。
そこでイグジットすると、
「100.500」を「1万通貨」ですから、金額は「100万5千円」。
損益としては「5千円」の利益になります。
計算式にすると、
損益(5千円)=変動した為替レート(000.500)×取引した通貨数(1万)
となりますので、「1万通貨のトレードで50pipsの利益」と言ったら、「5千円得をした」ということになります。
FXの損益計算方法例(ユロドル)
次にユーロドルの場合、損益がどうなるか見てみましょう。こちらは円が絡まない取引なので、最終的に損益を円に換算する必要があります。
ユーロドルのレート「1.20000」の時に、「1万通貨」を買いでエントリーしたとします。
その後レートが「50pips」上がり、「1.20500」に変動したところでイグジットしたとします。
「損益=変動した為替レート×取引した通貨数」ですから、
「0.00500」×「1万」=「50」で、
「50ドル」の利益です。
決算時のドル円レートが「100.000」だとすると、
最終的に「5千円」の利益ということになります。