相場は材料ありきで動いています。ファンダメンタルニュースは次代のトレンドを作成するものですが、決して予測はできません。
たとえば、2018年3月頃から始まっている米中の貿易問題は、7月末時点でも新たな火種となる情報が報道されています。
ファンダメンタル分析において、ニュースの情報収集が非常に大切な要素です。
では、どのように生かすべきでしょうか?
1つのファンダメンタルニュースが相場に及ぼす影響
ファンダメンタルニュースとは?為替に影響を与える仕組み
まずは貿易収支と為替との関係について解説していきます。
世界経済は、貿易によって成り立っている状況です。
特に日本は資源を輸入・加工製品を輸出して国内経済を回しています。
貿易収支とは1国の「輸出額-輸入額=差益・損失」のことを指します。
そして貿易黒字(輸出額の方が大きい)となると、外貨受け取りのために自国の通貨と交換します。
そうすると、自国の通貨の需要が高まることとなり、必然的に自国通貨高になります。
これは、貿易輸出国の抱える宿命です。
自国通貨高により、国際競争力が弱まり貿易そのものが抑えられることになり、通貨間のバランスをとれるようになります。
日本の場合、輸出により経済を上向かせていたので、かつて貿易収支の月ごとの報告は投資家にとって円の価格を予測する為の材料として捉えていました。
しかし、中国は意図的に自国通貨の上昇を抑えており、米中の貿易問題の本質はそこにあります。
ここまでがいわゆる常識と呼ばれる前提情報(ファンダメンタル)です。
ドル高になった後付けの理由
この前提条件を踏まえたうえで、米中貿易戦争のネタを理解することが大切になります。
通貨間のバランスが崩れてしまうと、貿易はたいへん歪な関係になります。
そのために、通貨が安いままならば、関税をあげて、自国産業を保護しようという政策を打ち出したアメリカの意図まではわかると思いますが、なぜ、それがUSドルの強さにつながっているのでしょうか?
<読売新聞>
外国製品に高関税をかけることで輸入が抑えられる米国の貿易赤字が縮小するとの期待からドルが買われる展開に
<時事通信 関係者筋の話>
対米輸出が落ち込むことで景気の減速が強まる中国や、中国と密接な経済関係を持つ新興国の通貨が売られ、その受け皿としてドルが買われているとの見方もある
と、もっともらしい見解をあげてみましたが、これは全部後付けです。
相場をブレイクさせるサプライズは、常にファンダメンタル
たとえばの話、同じ米中貿易戦争関連ニュースであっても、このような反応が出ることがあります。
<海外FX比較まとめ フェイクニュース①>
外国製品に高関税をかけることで、米国内の消費が落ち込むことが予想され米国内GDPの伸びは頭打ちの状態から下降に向かうことが予想され、ドルが売られる展開に
<海外FX比較まとめ フェイクニュース②>
対米輸出が落ち込むことで景気は一時的に減速するものの、ドル人民元レートの根本的な見直しがされることが予想され、人民元や新興国通貨を先回りして買う勢力が優勢に
時と場合により、このように相場は、まったく反対の反応をすることもありえます。
誰しも誤解していますが、ニュースの内容を理解することではなく、この時と場合を見極めることがファンダメンタルニュースを読み解くことです。
結局のところ、何を言いたいかというと、ファンダメンタルニュースはひとつのきっかけにすぎません。
相場にはそれまでの流れがあり、それまでの流れを大きく変えるようなニュースが出ないかぎりは、通貨ペア同士の強弱は変わりません。
決してボリンジャーや一目均衡表でこうだから、という理由でチャートは変化しないのです。
それが、ファンダメンタルニュースをあなたが重視した方がよい理由です。
「全部を把握するのは無理だから……」
「いつも予想と外れるんだけど……」
そういう人にとっては、ファンダメンタルに対して苦手意識を持っている人もいるかもしれません。
しかし相場で勝つためには、ファンダメンタルニュースを注意深くみて、エントリータイミングを見極める以上に王道な勝ち方はありません。
これまでの積み重ねと、新しい事実がこれまでの関係性(通貨間ペアの強弱)にどのような影響を与えるか? そのような視点を持たないと相場は勝てないのです。
それがファンダメンタルを相場に活かす方法です。
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