年末株価急落、ムニューシン財務長官と比較される人物とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ムニューシン財務長官

米国株式市場が下落する中、ムニューシン米財務長官は23日、大手米銀トップと電話協議を行い、24日には「プランジ・プロテクション・チーム」(市場の急落を阻止するチーム)とも呼ばれる金融当局者との電話協議を行ったことが報じられました。

財務省高官によると、電話は通常行われる市場調査のひとつに過ぎず、異例ではないと主張し、各大手米銀トップは、経済が良好で流動性に問題はないことを確認したと強調しています。

しかし、電話を受けた主要銀行トップの反応は全く逆で、流動性に問題がない状況での財務省による異例な声明の発表や、休暇先からの財務長官の銀行トップへの流動性に関する電話は、「市場や投資家が気づいていない状況があるのでは?」と、逆に警戒感を誘うことになっています。

また市場関係者からも、ムニューシン財務長官の介入がかえって市場を混乱させているとの声が上がっています。

スケープゴートにされるムニューシン財務長官

中国に対する融和姿勢がアダに

ムニューシン財務長官はこれまで、トランプ大統領に忠実な「イエスマン」ということで立場を守られてきました。

しかしトランプ大統領は、今回の株価下落問題にくわえ、ムニューシン財務長官が中国に対する通商政策で融和的な姿勢であることに不満を持っていると報じられています。

ムニューシン財務長官は、対中貿易協議で米側代表として交渉に当たってきましたが、政権内では中国に融和的だとして知られています。

同氏が会議で「われわれの(強硬な)対中戦略は非常にうまくいっている」と語ったところ、トランプは「『われわれ』とはどういう意味だ」と問い返したといいます。

ムニューシン財務長官に関しては、これまでもたびたび問題発言が取り沙汰されており、財務長官としての手腕を疑問視する指摘も数多くあります。

政権内での評価はゲーリーコーンが上

ムニューシン財務長官は、ゴールドマン・サックスのパートナーを17年間務め、約4000万ドルもの資産を築いたといわれています。

その後、映画製作会社を設立し、X-MENシリーズやアバターを含む著名な映画をいくつも製作しており、財務長官就任時にはその華やかな経歴が話題となりました。

しかしマーケットの経験で言えば、同じくゴールドマン出身でトランプ大統領の下で米国家経済会議(NEC)委員長を約1年務めたゲーリーコーンの方が圧倒的な実績を持っています。

ゲーリーコーンは、大学卒業後USスチールに入社し、アルミの窓枠と下見板を販売する仕事についた後、ニューヨーク・マーカンタイル取引所のフロアの仕事に転じた異色のキャリアの持ち主です。

1990年にゴールドマン・サックスで勤務を開始すると、1996年から1999年までコモディティ業務の責任者を務め、1999年から債券・為替・コモディティ部門(FICC)のマクロビジネスを統括、2003年からは株式部門の共同責任者となり、2006年6月にゴールドマン・サックスの社長兼共同COOに就任しました。

ゲーリーコーンは、商品トレーダーからゴールドマン・サックスのCOOにまで上り詰めたいわば「叩き上げ」で、ムニューシンとは比べ物にならないほど相場で修羅場を経験しています。

ゲリーコーン

ゴールドマンでの実績は、ゲーリーコーンの方が圧倒的に上だったにもかかわらず、トランプ政権ではムニューシンの方がゲーリーコーンより立場が上になるという奇妙な状態になっていましたが、政権内で重要な役割を果たしていたのは間違いなくゲーリーコーンです。

株価下落問題のスケープゴートに

トランプ米大統領は25日、ムニューシン財務長官について「とても才能のある男、とても賢い人物だ」とたたえ、更迭も噂される同氏に対して信頼を置いていることを示しました。

しかし、トランプ米大統領ほど常に株価に言及し、株価上昇を自分の手柄として喜んだ大統領はこれまでいません。

トランプ大統領はこれまでツイッターへの投稿やインタビューで、株価下落に対する不満をパウエルFRB議長にぶつけてきましたが、パウエル議長の解任が難しいとわかった今、怒りの矛先がムニューシン財務長官に向けられる可能性があります。

ムニューシン財務長官の在任期間がどのくらいになるかは、株式市場の下落がどのくらい続くかにも左右されそうです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す