米中間選挙の年のアノマリーと予測しうるシナリオ

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シナリオ

11月6日に投開票が予定されている米中間選挙まで、いよいよ1週間を切りました。今回の中間選挙では、与党・共和党が上下両院で多数派を維持できるかが焦点となっていますが、下院は民主党が多数派を奪還するとの見方も聞かれます。

アメリカ中間選挙と為替のシナリオ

トランプ大統領の不倫もみ消し疑惑や、人気歌手テイラー・スウィフトが民主党候補の支持を表明するなど、何かと場外戦ばかり目立っていますが、中間選挙の結果がトランプ米大統領の今後の政権運営や再選戦略を大きく左右するのは間違いありません。

今回は、中間選挙の結果がどうなり、それによって為替がどう動くのかを予測してみたいと思います。

為替市場におけるアノマリー

ではまず、為替市場のアノマリーについて見てみましょう。

アノマリーとは、論拠こそないものの、実際に”よく当たるかもしれない”とされる経験則のことをいいます。

1971年代以降で、過去11回の中間選挙年のドル円相場の平均と1971年以降の全平均値の推移を比較すると、中間選挙の行われる11月に向けて平均的に円高・ドル安となり、選挙後にジリジリと円安・ドル高になる傾向があります。

また、「その年が円安・円高どちらになるか」という通年の値動きを見ると、過去44年間の平均は57%程度の確率で円高となっていますが、中間選挙開催年のみを取り上げると64%程度の確率で円高となっています。

予測しうる3つの想定シナリオ

では次に、中間選挙の結果で為替がどのように動くかを考察します。

現状は上院・下院共に共和党が過半数を獲得している状況ですが、今回の選挙では上院の3分の1(35議席)・下院の全議席が改選となります。

今回の中間選挙で考えられるシナリオは「上院・下院共に共和党が勝利」「上院・下院のどちらかで民主党が勝利」「上院・下院共に民主党が勝利」の3つです。

事前の世論調査やメディアの報道を総合すると、「上院は共和党の勝利・下院は民主党の勝利」となることがほぼ確実と見てよさそうです。

この結果によって上院・下院でねじれが生じると、トランプ政権の重要法案の可決が困難となり、為替が円高・ドル安に振れる可能性が懸念されます。

しかし、すでにトランプ政権はこの2年間で多くの重要法案を通過させており、残っているのは「やらない方がよい」といわれるオバマケアの撤廃ぐらいです。

また直近のドル円の動きを見ると、マーケットはすでに「下院の民主党勝利」を織り込んでいる可能性が高く、この選挙結果を受けてドルが叩き売られる、といったドラスティックな動きになる可能性は低いでしょう。

一方、「上院・下院共に民主党が勝利」となった場合、マーケットはこの結果を全く織り込んでおらず、一旦大きく円高・ドル安方向に動くことは間違いありません。

今のところ可能性は極めて低いですが、2016年の米大統領選挙では圧倒的不利といわれていたトランプが見事に勝利したように、選挙では何が起こるかわかりません。

大方の予想を裏切り、サプライズとなる可能性も考慮しておいた方がよいかもしれません。

金利上昇からドル高へ

もっとも、「上院・下院共に共和党が勝利」した場合でも、財政悪化懸念から金利が上昇し、マーケットは混乱するという見方も少なくありません。

トランプ大統領は、大型減税の第2弾として「中間層に10%の追加減税」を打ち出しています。

この実現には、共和党が上下両院で多数派を維持する必要がありますが、トランプ大統領が打ち出す政策はいずれも米国の景気を押し上げインフレを加速させるものであり、長期金利の上昇によるドル高は避けられません。

ただし、トランプ大統領は現在のドル高状況を歓迎しておらず、これまで何度もドル高を牽制する発言を繰り返してきました。

この状況が続けば、トランプ大統領が日銀の緩和継続による円安に対して不満を表明するなどして、一時的にドル安・円高に大きく振れる可能性もありそうです。

 

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