仮想通貨取引のレバレッジが25倍から2倍~4倍に下げられたら、どうなる?

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レバ規制

今月19日、金融庁で仮想通貨規制のあり方を議論する「仮想通貨交換業等に関する研究会(座長=神田秀樹・学習院大学大学院法務研究科教授)」が開催されました。

規制強化で日本の仮想通貨市場「終わりの始まり」へ

会合の中で、仮想通貨の証拠金取引や信用取引について、金融商品取引法の適用対象とし、店頭FX(外国為替証拠金取引)より重い規制にすることでおおむね一致しました。

仮想通貨のリスクを踏まえ、仮想通貨の証拠金取引や信用取引への規制は店頭FXよりも重くすべきだとの意見が多く出され、証拠金取引や信用取引の証拠金倍率は、FXと同じ最大25倍に設定している業者もありますが、欧米並みの2倍にすべきだとする意見が複数出ました。

日本の仮想通貨市場にそぐわない規制案

コインチェックやZaifなど、国内の仮想通貨取引所でハッキング事件が相次ぎ、個人投資家が被害を受けたことから、金融庁が規制を強めたい意向であることは理解できます。

しかし、いかにも相場で実際に取引した経験がない教授の先生方の意見で、的外れな規制をかけようとしていると言わざるを得ません。

まず、「証拠金倍率を欧米並みの2倍にすべき」との意見ですが、日本の仮想通貨市場と欧米の仮想通貨市場では、状況が全く異なります。

現物取引が主流の欧米と違い、日本では証拠金取引や信用取引が国内取引の8割超を占めており、もしこの状況で証拠金倍率を2倍に規制すれば、一気に流動性が枯渇してしまいます。

また、研究会では証拠金倍率を規制する理由として、仮想通貨の値動きが激しく、投機性が高いことを挙げていますが、これも現状の仮想通貨市場にそぐわない意見です。

2017年は、ビットコインをはじめ仮想通貨の価格が軒並み暴騰し、ボラティリティは歴史的な高水準となりましたが、2018年に入ると一転して記録的な低水準が続き、FXや日経平均先物取引の方がボラティリティは高くなっています。

もし証拠金倍率を2倍に規制すれば、仮想通貨よりボラティリティやレバレッジ倍率が高いFXや日経平均先物に投資家が流れてしまうことは確実です。

証拠金倍率規制の前にすべきこと

また、証拠金倍率の規制に至った背景には、個人投資家から「ロスカットが機能しない」「価格急落場面でシステムがダウンして注文できない」といった苦情が相次いでいたことも挙げられています。

しかし、これらは証拠金倍率が高いことが原因ではなく、仮想通貨取引所のシステムに問題があって起きたトラブルです。

投資家保護の観点から規制を強化するのであれば、証拠金倍率より仮想通貨取引所のシステムを含めた運営体制を厳しく監視すべきです。

登録済みの仮想通貨交換業者で構成する「日本仮想通貨交換業協会」は、経過措置を設けた上で証拠金倍率の上限を4倍とする自主規制規則案を検討してきました。

同協会の奥山泰全会長は研究会で「4倍というのは、25倍でやっている業者が多い中で暫定的な数値だ。何倍が適切か検討していきたい」と述べています。

研究会のメンバーからは、証拠金倍率の上限を全ての仮想通貨に一律適用すべきだとの意見が出ました。

しかし奥山会長は、仮想通貨ごとのボラティリティに応じ、決済リスク、未収金の発生リスクなどを踏まえた上で適切な倍率設定が必要だと話すなど、議論がかみ合っていないように見受けられます。

レバレッジをかけた取引は「投機的だ」と批判を浴びがちですが、様々な取引をする投資家がいるからこそマーケットに流動性が生まれ、流動性があるマーケットが投資家を惹きつけます。

規制については、これから時間をかけて詳細を詰めていくと思われますが、必要以上に過度な規制をかけて日本の仮想通貨市場が廃れていくことだけは避けてほしいと切に願います。

 

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